第9弾:青年海外協力隊に合格するために必要な能力は”専門性”の1点のみ!!

青年海外協力隊になるためには、特別な能力が必要なのか?

そんなことはない。

 

青年海外協力隊になるチャンスは、すべてのひとが持っている。

””魅力的なひと””であれば、だれでも協力隊に合格できます!!

青年海外協力隊を目標にするのではなく、その先にある進路を見据えていれば、必然的に協力隊の合格基準は満たされる。

「青年海外協力隊になりたいんですけど、どうしたらいいでしょうか??」
という質問を見かけることがある。

 

 

青年海外協力隊はゴールではない。通過点。

だから、高校生や大学生が青年海外協力隊になることをゴールに掲げているとき、「もっと遠いところに目標を設定すればいいのに」と思う。

彼らが具体的に「青年海外協力隊」という名前を挙げることができているということは、きちんと調べているのだろう。
そして、協力隊に合格するためにはどうしたらいいかを考えるのも当たり前のことだ。

だから、どうすれば合格率が高まるかを、僕なりに考えてこの記事で提示してみます

 

青年海外協力隊になることを目標にすることは、大学に入学することを目標にしているようなものだ。

大学に入学することは決して目標にはなりえない。

高校もそうだが、大学は義務教育ではない。
したがって、大学に進学する際には、なぜ大学に進学するのか、大学で何をしたいのか・学びたいのか、それを学ぶことでどうしたいのかなどをきちんと考えるべきである。
もし自分で選択しておきながら、じぶんがそう選択した理由がわからないのなら、それはなんとなく大学に行っているということだろう。
べつに農学部だろうが、経済学部だろうが、医学部だろうが、何学部だろうがまったくこだわりがないことになる。でもそこには必ずその学部を選んだ動機があるはずであり、動機を持つべきである。

その動機をはっきり理解していれば、大学を卒業した後、どういう進路をとるべきなのかを自分の意志できちんと見極めることができるようになる。

そういう「大学」という通過点の先にあるものを見据えて、しっかりとした動機を抱えて大学に進学するべきだと思う。

大学は遊ぶ場所ではない。
大学のうちに遊ぶのでなく、社会人になって人生を謳歌するために大学のうちに勉学に励むべきだ。
大学は4年間もしくは6年間。社会人は40年近くある。
40年分の楽しみを4年間に詰め込むのか。
それとも、4年分の努力で40年間を楽しむのか。
どちらの人生タイプを選ぶかは、ひとそれぞれだ。

 

 

さて、この大学の例と同じで、
青年海外協力隊に応募する際も、「青年海外協力隊事業に参加した後になっていたい自分像」をしっかりイメージして、そこから応募をするかどうかを決めたほうがいい。
青年海外協力隊事業は、チャンスであって、義務ではない。

青年海外協力隊の門は年に2度開くが、その門をくぐりたいのであれば、自分の人生をきちんと考える必要があるだろう。協力隊事業は、自分探しのための慈善事業ではない。

その将来像は、協力隊の2年間で変わるかもしれない。
でも、やはり将来像を持っているひとは、魅力的だ。

 

選考官の視点で考えてみる。「あなたは魅力的ですか?」


青年海外協力隊選考の選考官は人間だ。

魅力的な応募者がいれば、「このひとを青年海外協力隊として、2年間送り出してみたい。あげたい」と感じる。
もしあなたが選考官だったら、どういう応募者を採用するだろう。

青年海外協力隊は、慈善事業ではない。
ふにゃふにゃ芯がないようなわけのわからない応募者を採用するだろうか。
少なくとも、そういう風に見えてしまうひとは採用しないだろう。
だから、協力隊には個性豊かなひとばかりいる。
個性が強くて、協調できないときさえある。
そのくらい、みんなマイペース。自分を持ってる。

 

第7弾:青年海外協力隊の選考試験は、定員割れでも不合格はよくあることで触れたが、JICAの選考合格基準を満たしていない応募者を合格にすることはない。

 

 

青年海外協力隊になりたいと思うのは自由だ。
青年海外協力隊事業に応募するのも自由だ。
応募して、合格したいと願うのも自由だ。
でも、合格不合格を決めるのは我々ではない、アッチ側のひとだ。
であれば、我々はJICAが望むような人物にならなければならない。
青年海外協力隊になるべくしてなるような、JICAにとって「理想的な協力隊員像」に近づく(演じる)必要があるわけだ。


あなたは青年海外協力隊事業にとって、魅力的な人物だろうか??
では、魅力的な人物とはどのようなひとなのだろうか。

それを自分なりにしっかりと考え、整理する必要がある。
それがわからなければ、応募書類の応募動機も自己PRも書けない。
「魅力的なひと」というのは人それぞれ違うのだから、あなたが思う協力隊選考官の魅力的なひとをイメージしてみよう。

そのイメージが事業にとって魅力的でなければ、合格することはないのではないだろうか。

 

 

英語はできなくても全く問題なし!!

青年海外協力隊参加後の進路やビジョンを描いている人は、どうすれば青年海外協力隊に受かるかどうかを考えないで済む。

なぜなら、自分が目指したい自分像が描けており、そこに進むための道筋が見えているから。
それが見えていれば、自分の応募職種がはっきりする。

自分の応募職種がはっきりできている時点で、「青年海外協力隊になりたいんですけど、どうしたらいいですか?」という質問が出てこない。

この質問は、国際協力⇒青年海外協力隊という直線的な発想をしたときに行きつく。
どういう分野のどういう専門で国際協力に貢献したいのかを自分で理解していないということだ。

 

 

そういうひとは、英語力を伸ばそうとする。

海外=英語と考えるのだろう。
協力隊になるためには、TOEICで300点くらい取れれば問題ない。
つまり、協力隊になるだけであれば、英語の能力は問われないわけだ。
ぼくは大学1年のころに受けた550点くらいの成績を応募時に記載したが、何の問題もなく合格できた。

コロンビアで英語をしゃべることはおろか、駒ケ根の派遣前語学訓練でさえ英語を話したことはない。
「青年海外協力隊になりたい」ということだけを考えるのであれば、英語能力は必要ない。

英語能力が高ければ、その分ほかの言語を習得する能力も高いとみなされる場合はある。
でも、それは協力隊の選考に合格し、候補生となれたときにはじめて生じることなので、「協力隊になれるかどうか」には関係がない。

 

英語を頑張るくらいなら、専門性を伸ばしたほうが絶対にいい!!


英語が少しくらいできるのはあたりまえの時代になってきている。

英語能力をちょちょっと伸ばそうとするのであれば、自分の専門性を大いに伸ばしたほうがいい。

 

海外における協力隊員の売りは、なにだろうか?
英語力なわけがないことはたしかだ。

アメリカに行って、英語力が重宝されることはあるだろうか。
英語はただのコミュニケーションツールということで終わる。

コロンビアやインドネシア、カメルーンなどに派遣されて、英語力が求められることはない。
英語よりも、現地語である。
コロンビアでは英語は全く通じず、スペイン語で話さなくてはならなかった。
スペイン語やフランス語などの語学は協力隊の選考に合格したあとの派遣前訓練で、みっちり語学勉強をする。0から、毎日たくさん70日間。
だから、語学力などどうでもよい。そこで必ず伸びるし、訓練中に一生懸命伸ばせばよい。
もちろん、なにごともあるに越したことはないが。

 

 

例を挙げよう。

スペインに20年住んでいたけど専門性をまったくもっていない人がいたとしよう。
その人が応募できる専門職種はない。
専門性こそが協力隊員が派遣される理由なのに、専門性がなければ、派遣する意味がない。

サッカー経験のないサッカー隊員。
野菜を育てたことのない野菜栽培隊員。
楽譜の読めない音楽隊員。
日本語の構造を理解していない日本語教育隊員。

専門性がないということは、こういうことだ。

 

 

もう一つ例を。

あなたがある日本企業の選考官で、システムエンジニア経験者を募集した。
そのときに、日本語を話せるけどパソコンをいじったことさえないひとが応募してきたら、どう思うだろうか。
そして、選考官のあなたは、その応募者を合格にするだろか。

 


青年海外協力隊にとって専門性こそが、最も大切な能力である
ことは言うまでもない。
なぜなら、途上国に住む彼らが必要としているのは、「日本人」ではなく、「技術や知識を持った日本人」だからだ。

 

その専門性を証明するために資格が必要なら、資格を取ればいい。
ボランティア精神を売りにしていているのであれば、当然ボランティア活動には参加したことがあるのだろうから、そのボランティア活動の経験をアピールすればいい。
高校生や大学生であれば、自分の専門をアピールすればいい。
もしくはアピールできるまで、高めればいい。

それらの事実だけでは弱い と自分で感じるのであれば、もっと専門性を磨かなくてはいけない。

要請によっては【要請資格】という項目で、「関連業種の職務歴5年以上」「職務歴3年以上」「農学部大学卒相当」などの専門性の熟練度を応募条件に設定している場合がある。
応募職種に近い業界で働いていたということも、とても強い専門性の証明になるということだ。

 

ちなみに、ぼくは資格は何も持っていない。
普通車の運転免許だけ。(協力隊では何の役にも立たない 笑)
英語もTOEIC500点くらい。(選考で、英語能力を審査されることは一切ない)
ボランティア経験は、農業系のボランティアをいくつもやっていた。
経歴は、海外で研究をしていたことを書いた。
職歴は、ない。

 

ぼくは自分の専門性と将来性だけで、協力隊の選考を突破したと言っても過言ではない。
第4弾:青年海外協力隊に合格した応募書類(ボランティア事業編)を公開します! 【書類審査・試験】
第5弾:青年海外協力隊に合格した応募書類(職種:野菜栽培編)を公開します! 【書類審査・試験】

ぼくみたいなひとでも、協力隊になれた。
協力隊というのは、スーパーエリート団体ではないのだ!!

 

人間性までは選考ではわからない。
「青年海外協力隊」のイメージに負けないで!!

青年海外協力隊の選考では、サバイバル能力もストレス耐性も試験されません。

人間性を選考で判断できたらすごいと思いますが、実際派遣前訓練に参加すると「このひとよく受かったな」とおもうようなひともいます。
また、日本で「このひと変な人だな。」と感じても、派遣国にはそういう変な人(自分で理解できないひと)ばかりですから、自分の正義(価値観)を大きく振りかざすのはやめましょう。

 

「青年海外協力隊に向いているひと」「向いていないひと」という言い方がありますが、協力隊に参加しているひとは千差万別です。
向いているも、向いていないもありませんので、安心してください。

 

明るい人もいれば、明るくない人もいます。
自己主張が激しい人もいれば、激しくない人もいます。
人に対して壁を作る人もいれば、いきなり0距離のひともいます。
ストレス耐性が高そうな人もいれば、すぐ激高しそうな人もいます。
周りの動きを観察している人もいれば、周りの動きにまったく関心がない人もいます。
グループをつくってみんなで行動している人もいれば、ひとりで行動している人もいます。

 

ようするに、いろいろなひとがいるわけです。
青年海外協力隊って一般国民が応募するわけですしね。
向き不向き以前に、全員参加できるのですから、小学校の1クラスみたいなものです。
いろいろなひとがいるのです。
派遣前訓練に臨む人たちへ 冷めた現役隊員からちょっと一言

だから、自分の性格を「青年海外協力隊」のイメージに寄せる必要はありません。
あなたはあなたのままでいいのです。(宗教っぽい 笑)

 

 

おわりに

青年海外協力隊の事業自体に、変に過度な期待をするべきではありません。

青年海外協力隊というのは、あくまでもボランティアプログラムという「枠」です。
中身は、隊員自身が創りだしていくものです。
隊員や隊員OBOGがいつまでもJICAを非難していたりするのは、みっともないからやめましょう。
中身の質は、隊員自身が創り上げるものです。
隊員の色が活動に出てくるわけです。
だから、協力隊員同士でも相手が何をやっているか理解できないものです。
専門性も違うし、個性も違うし、周りの環境も違う。語学能力も違うし、国際協力を行う際のスタンスも違う。

それを、「青年海外協力隊」とくくるのはなかなかに難しく、そこでくくってしまえば中身を説明するのは難しいのです。ちょっとしたジレンマです。
特に、ぼくは今月協力隊特集で書いているので、なおのことをその難しさを実感しています。
(ぼくの個人経験と「協力隊」全体のことを客観的に書こうとしているので)

 

小学校のクラスの例を上で出しましたが、その箱(クラス)を見て先生が「このクラスは元気がいい」と説明するのは、あっているけれど、間違ってもいるのです。
時と場合によって、個人個人に焦点を当てて説明するべき場合があるからです。

 

 

 

青年海外協力隊

ぼくはこの事業を利用して、コロンビアで活動し、2年間非常に素敵な経験ができました。

ですから、この事業を悪く言うことはありません。というか、できません。

青年海外協力隊に興味を持っている人の動機にもよりますが、2年間というのは長くも短いものですから、個人的にとてもおすすめできる事業です。多くのことを学べますし、自分の現在位置も教えてくれます。
「協力隊になりたい」という望みをかなえるためには、戦略的に応募し、選考を突破し、合格しなくてはいけません。

そのためには、自分の魅力を高めること。

(この場合に限っては)自分の魅力を高めるというのは、専門性を高めることです。

 

ストレス耐性や積極性などというのは個性です。
それらは短期間では自分でどうこうできる点ではありません。
そういう自分の個性を否定しながら、「青年海外協力隊」という虚無像に押しつぶされてはいけません。

 

協力隊の先にある将来を見据えて、自分の専門性を伸ばしていきましょう!!
そうすれば、その専門性が途上国の人々の役に立ち、そして、その2年間の経験も上積みされた専門性で日本社会に還元できるようになります。

自分の将来ビジョンをしっかりと描けば、それだけで合格に値する魅力的な人物になっていくのです。
青年海外協力隊は、そのためのひとつの通過点、選択のひとつにすぎないのです。


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Chaito

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