ワールドカップがひっそりと行われているニッポン

つい、数十分前、フランスーベルギーの準決勝が終わった。
結果は1対0。
フランスの勝利だった。
とても良いゲームだった。

日本だと、今回のロシアワールドカップは深夜~早朝にかけて行われている。
これがコロンビアだと、朝の7時から~午後1時までととても良い時間帯に放送されていた。
アルコールが飲みづらい時間帯なので、みんな上品に試合を眺めていた。

今朝の試合は、日本時間では朝の3時に始まった。
まだ(周りに理解されない)時差ボケが残っているぼくは、朝4時に決まって起きてしまう。
ちょうど試合が見れて良い。

ワールドカップが深夜以降に始まるということもあり、日本でワールドカップの存在を感じることはとても少ない。
まず、サッカーに関係する服を着ている人がいない!

 

コロンビアの任地ブカラマンガ市内を歩いていれば、なんでもない日でも、必ずコロンビア代表のユニフォームを着ているひとを見かける。
バスのなかには、最低でも2人くらいはいずれかのユニフォームを着ているひとがいるものだ。

そして、僕自身も例外でなく、ユニフォームユーザーのひとりだった。
ぼくはほとんど毎日コロンビア代表のユニフォームを着ていた。

 

アディダス公式のユニフォーム。黄色・ネイビー
最上レプリカのユニフォーム。ネイビー・赤・黄色・青

6枚持っていた。

コロンビアではとても大切なデートなどでない限り、コロンビア代表のユニフォームを着ていれば問題ない!!
デートでも高級レストランなどに行かない限り、その辺の庶民的な露店で食べる分にはユニフォームを着てればいい。

ぼくの配属先には服装に関する規定などなかった。
だから、みなが私服で働くことができる。
それでも、半ズボンや素足サンダルなどは、コロンビア人モラル的に「仕事にふさわしくない格好」のようだ。
コロンビアのひとは、身なりをとてもしっかり整える。

ぼくがいつも襟なしのコロンビア代表のユニフォームを着ていたので、長そでのシャツを着ていくと、それだけで「ジュンペイ。今日はデートでもあるのか??」と指摘してくる。
コロンビアでもデートの際は、身なりをきちんと整えるべきようである。

このデートの場面で言えば、女性のほうが格好は大きく変わる。
どこかのお姫様のような純白のワンピースを着ている女性がいたのだが、女性の憧れのように視線を集めていた。
だから、夕飯デートをする場合、女性は職場からレストランには直行せずに、おめかしをしに家に帰る。

コロンビアの男性も女性も、見た目は気にしない。
彼らは愛情の深さを格好ではかることはしない。
でも、やはりマナーとして、身なりを綺麗にする。
そして、愛する人とのデートの時間を精いっぱい味わいたいから、服装にもメリハリをつけるのだろう。

もちろん、歴の長いカップルになると、そうではなくなってくるけど。

 

 

日本では、ユニフォームを着ているひとは皆無

コロンビア人が、コロンビア代表のユニフォームを着る。
日本人が、日本代表のユニフォームを着る。

これはなにも変なことではない。
その国にいるときにその国のシンボルとなる服を着るのは、間違っていない。

日本に観光に来ている外国のひとが、日本代表のユニフォームを着ている。日本語が胸にプリントされた服を着ている。
それは実に微笑ましい光景である。

「日本を好きでいてくれて、ありがとう」とさえ思う。

 

でも、ユニフォーム”なんか”で歩いているひと、全然いないね。
日本人流の「身なりを整える」に、サッカーのユニフォームを着て出かけるという行為は基準を突破しないのだろう。

そもそも、スポーティーな服を着て、外出しているひとが少ない。
外出する際は、年配の世代であれば必ずシャツを着て、長ズボンを履くのが風習となっている。
だから、とても強い統一感を感じる。

群馬から東京に向かう電車や新幹線の車内から、ホームにいるひとを眺める。
すると、社会人男性のほとんどが襟付きのシャツをきちんとズボンに入れ、仕事をする場合濃い色の長ズボンを履いている。
最近はクールビズで、ネクタイを付けていないから、ネクタイのカラーで個性を主張することもない。

白を基調としたシャツに、それを際立たせる色の長ズボン。
カバンは自己主張しない色。多くの場合黒色で、なかには茶色のひともいる。

この統一感からはみ出すような恰好をしているひとは、学生。

非常にわかりやすい判断方法だ。

 

スポーティーなシャツを着ている人がいれば、「寝間着か??」とさえ感じてしまう。
それだけ、社会全体として、相手の身なりを監視する風土があるのだろう。

・給料の何か月分の時計を付けるのが大人の常識。
・仕事ができるひとは相手の靴を見る。⇒良い靴を履きなさい

こういう風潮が日本社会にはある。だから、気を抜くことができないし、自分がリラックスできる服装で外出するよりも、周囲の雰囲気を乱さないような社会規定以上の服装を選択する必要がある。

それは悪いことではない。
やはり、ピシッとした服を着ていれば、その分心もシャンとする。
昔流行った腰パンのような着崩し方をするひとはだらしなく映るし、心もピシッとしていない印象を受けるものだ。
一方で、スーツを着ていれば、問答無用でしっかりしていそうなイメージを与える。

服装や格好で人を判断するべきではないが、われわれは視覚的に受け取る情報によって多くのことを支配されている。
だからこそ、小綺麗な清潔感のある格好をしていることは重要なのだ。

 

だから、日本ではユニフォームを着て、その辺のエレガントなゾーンを歩くことに向いていない。
まぁ、周りでユニフォームを着ているひとがいないから、そうに感じるだけで、そこに自分がユニフォームを着て行ってしまえば、何も問題ないんだろうけどね。

 

テレビのなかだけで完結している世界

サッカーに詳しい人以外がサッカーの話題を口に出すことは少ない。
ワールドカップで日本代表の試合が終わってしまえば、それ以上を語ることは少ない。

1)ユニフォームなどのサッカーグッズを身に着けない。
2)サッカーの話題をしない。

だから、サッカーを感じるわけがない。

テレビのスポーツ特集ニュースでは、結果や事実以上の情報をコメンテーターや司会者が発信する。
多くの場合、その人たちの個人の意見であることが多く、客観的なデータに基づいた発言であることは少ない。
だから、それが世論をコントロールしてしまうこともあるし、その画面越しの意見を自分の意見にしてしまうひとも少なくないだろう。

コメンテーターの意見を自分の意見にしてしまうのだ。
そうなってしまっては、多様な意見が生まれるわけがない。
だから、そのテーマで会話しても仕方がないのである。そのような状態で会話を試みても、それはコメンテーター同士の会話と同じになってしまう。

日本のテレビを聞いていると、コロンビア比較で、テレビに映ってるひとのコメントがめちゃくちゃ多いことに気付く。
ニュースを読み上げてくれて、それに補足の情報を加えてくれるような無機質な情報のほうが理解しやすいと思うのだが、それに付加価値を付けたいのか、毎回スタジオにいるコメンテーターに話をフリ、彼らがそのニュースに関する意見や視点を付け加える。
あまりおもしろくない。

 

ぼくは、テレビ朝日のアナウンサーが好きだが、女性アナウンサーのアイドル化は、フワフワした雰囲気を社会全体に与えているような気がする。
彼女たちから知性を感じることはなく、ゆるふわ感しかない。

そういう番組で一日が始まり、朝日と共に整備された道路を歩けば、それだけで心が平和な感じになる。
ぽわっとした、自分の自我がどこかに行ってしまったようなふわふわした感じだ。

そうに考えると、僕自身かなりテレビに心や感情が支配されているのだろう。

 

ユニフォームと車のクラクションでサッカーを感じていたから、それがないとサッカーを感じない

コロンビアだと、試合があるときはユニフォーム着用者が増える。
そして、点が決まれば、プップ、プップとクラクションがたくさん流れる。

ぼくはこれで、コロンビアではサッカーを感じていたようだ。

だから、これを感じることができていない今、ワールドカップが終盤に射しかかってきているのに「日本ではワールドカップは全然注目されていない!!みんなワールドカップなんか興味ないんだ!!」と実際に感じて、そう判断している。

 

日本のように”高度な社会”になると、世界的なスポーツ大会でもあまり大きな波及効果はないのかもしれない。
スポーツはあくまでも娯楽である。そんな感じ。

自転車競技のツールドフランスが開幕してからすでに4日ほど経つが、それもまったく感じない。

単純に興味の問題もあるのだろうが、とても不思議な感じだ。
人々が一丸となってなにかに夢中になる機会が、あまり多くないのだろう。

 

 

 

おわりに

今週の日曜日にワールドカップの決勝が行われる。
ぼくは今回のワールドカップの開催中に帰国してきたので、あまりのめり込むことができなかったけど、最後まで楽しもうと思う。
そういえば、前回のブラジル大会のころは、インドネシアで試合を観ていた。

4年という月日は、昔の懐かしい出来事を思い出すのに十分な期間。

 

こんな記事を書いて、また4年後はいまのことを懐かしく思っているのだろう。
4年後は30歳。
そのまえには、東京オリンピックがある。

自分が年を重ねていくごとに物事を見る視点が増え、いろいろな世界が見えるようになってきた。
これが経験によるものなのか、加齢によるものなのか。どちらも同じようなモノなのかもしれないが、いい歳の取り方をしていきたい。

と、日本社会でお金を稼いだことのない若造がはしゃぎます。

 


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Chaito

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