なぜ日本人はカブトムシを捕まえたがるのか? 公園のカブトムシ男子とダンゴムシ女子

朝早起きして、散歩兼ジョギングをする。
朝ごはんを食べる6時半前に、一度身体を起こして、爽やかに1日を迎えたい。

田んぼ道を走って、公園を歩く。
すれ違う人に「おはようございます」と挨拶する。
すると、「おはようございます」と返ってくる。こだまでしょうか。

だから、必然的に人の動きや気配に敏感になる。
敏感にならずとも、僕の地元の目覚めは遅く、朝7時くらいにならないと県道にも車があまり走っていない。

これがコロンビアだと、朝6時には銀行の前に長蛇の列ができていて、15人くらい並んでいたりする。
小中学校の授業も6時半から始まったりするし、仕事も7時ちょっとすぎから始まるケースが多いので、朝6時にはすでにたくさんの人や車をたくさん見かけるようになる。

コロンビアの朝は早いのだ。

 

公園の風景

さて、日本の田舎特有の風習なのかもしれないが、子どもがカブトムシを捕まえたがる。


カブトムシを捕まえに、早朝から親子で公園の木をゆすってる光景を見かける。
とても微笑ましい光景である。
『その細い木にはカブトムシはいないんじゃないかなぁ~』と思って見ていると、「アッ、落ちてきた!!」と声が響く。
自分の先入観の強さに驚く。
最近のカブトムシは、ああいう木にもいるのか。最近のカブトムシはよくわからない。

ぼくも小学生のころ、虫取りかごを持って、お父さんと早朝散歩のついでにカブトムシを採集していた。
どの木に樹液があって、カブトムシがどの木の種類を好んでいるか。
毎日毎日よくもまぁ飽きずにあんなにカブトムシを捕まえに行っていたなと感心する。
いつも歩いている公園周回散歩コースから外れて、わざわざカブトムシがいそうな林をコースに組み込んだりしていた。
あのカブトムシがいる場所特有の腐植物の香りが鼻を通るたびに、いつもカブトムシを思い出す。
香りは、記憶をよみがえらせる効果がとても強いのだ。

カブトムシあるあるだが、カブトムシを見つけても触れない子どもは多い。
そして、カブトムシよりもクワガタのほうがつかむのが難しい。
なぜなら、カブトムシは角の部分をつかめば持ちあげることができるが、クワガタは角がないから。

だから、遭遇度の低いクワガタのつかみどころを見つけるまで、意外と時間がかかる。
ぼくはクワガタのつかみどころがわからないので、片手で捕まえてグワーッとできない。
カブトムシよりもレア度の高いクワガタ。
きっと子どものころ流行ったゲームボーイのゲーム「メダロット」の影響だろう。

われわれ日本人にとって、カブトムシやクワガタは夏の風物詩であり、とても有名かつ身近な生き物だ。

ぼくはミミズは好きだが、カブトムシやクワガタ、カマキリやバッタのような地球外生命体のような風貌の昆虫が得意ではない。嫌いではないけど。
セミは絶対に触れない自信がある。

お腹側の構造が気持ち悪く見えてしまうのだ。
脚の付け根の部分のもぞもぞした感じが、ダメだ。

その点ミミズは、かわいい。
ミミズは肌触りも良いし、脚も生えていない。咬むこともない。
ただ、30cm以上の重厚感のあるタイプのミミズは、ミミズ好きのぼくでも触るのを躊躇する。
標本だが、100cmの国産ミミズを持っている。
標本で見る分にはかっこいいのだが、コイツが山道に出てきたとしたら、ぼくはそいつをヒョイと素手で持ち上げる自信はない。
単純に怖い。怖さを覚えてしまう。
ミミズの種類によって、触られたときのリアクションが違うので、その1mのミミズをつかんでコイキングみたいにビチビチ手のなかで跳ねられたら、絶対に放す。

ぼくが好きなのは、長さで言えば40cm以下の小さいかわいらしいミミズ。
特に、5cmくらいにしかならないコンポスト向きのミミズが好きである。

 

 

 

朝の公園で、男の子がカブトムシを捕まえようと木の上の方を見上げているなか、女の子は草陰のほうでうずくまって地面を眺めている。
女の子は、ダンゴムシを突っついて遊んでいるのだ。

ダンゴムシは僕も好きだ。
たくさんの足で健気に歩いている姿がかわいらしい。
コンクリートの壁を登ることができたりするので、観ていると結構楽しい。
枝で進路を妨害すると、行動を学習していく気がする。
たしかそういう研究が実際にあったと思う。
ダンゴムシは土壌動物なのでミミズと同じジャンルに属する。
その関係で、ダンゴムシの話やヤスデの話を聞く機会が多かったのだ。

土壌動物のなかでも、ダンゴムシちゃんは子ども受けが良い生物のうちのひとつで、大人も悪いイメージを持っていない。
だから、土壌動物界の看板娘のような感じだ。
それでもぼくはミミズが好きだ。

 

 

朝早くから外を歩いてみると、意外にもぼくが小さかった20年近く前と同じ光景があって、不思議な気分になる。
ぼくが10歳のころに、当時の26歳くらいの大人が僕たち子どもが遊んでいる姿を見て、懐かしく感じていたと思うと、輪廻転生という概念を理解できるし、タイムリープしているような感覚に陥る。

とても不思議だ。

 

 

なぜ日本人はカブトムシを捕まえたがるのか?

このまえ、新宿から電車で帰ってくるとき、親子連れがカブトムシを虫かごに入れたまま、口を開けて寝ていた。
遊びに行った帰りだったのだろう。
とても天気が良く、暑い日だったので、そののどかな雰囲気と車内のひんやりした空調に包まれて、ぼくもすぐに寝落ちた。

日本には、カブトムシビジネスがある。
地元のホームセンターに夏の時期に行くと、カブトムシやクワガタが売られている。
500円くらいだ。
あとは、カブトムシゼリーを買えば、すぐに家でも買うことができる。

 

この一連のカブトムシにまつわるエトセトラを思い出すと、なんで日本ではこんなに虫が身近な存在なのか不思議に感じる。
ぼく自身も子どものころはカブトムシ少年だったから、例にもれず、そんな「虫が身近に感じているひと」のひとりであるのだが、コロンビアではそうではなかった。
コロンビアで虫を捕まえたり、虫のビジネスを観たことはなかった。
コロンビア人は虫に興味がなさそうだった。

ハエや蚊、ゴキブリには敏感だったが、虫にはあまり関心がないと思う。

そうに考えると、われわれはなぜ虫が好きなのか??

なぜ、われわれはカブトムシを捕まえたがるのか?
なぜ、男の子たちにとって、カブトムシやクワガタが正義なのか?

きっと、お父さんたちがそういう風に山や森で遊んでいたからだろう。
だから、その経験が子どもにも継承されていく。
これはもちろん理由の一つに過ぎないだろう。でも、たしかに存在しているルートのひとつであるのは事実だ。

 

習慣が文化をつくる。
だから、習慣がなぜ習慣になったのかを考えると、おもしろい


文化的に習慣化されたことを分析するのは、とても難しいものだ。

なぜなら、明確な理由がなく、「だって、これまでそうにやってきたから、いまもそうにやる」と考えずに行われるからだ。
特に、世代を超えて習慣化されていることを分析するのは、難しい。

ぼくはいま、ミニマリストになりたくて、部屋の本をダンボールで10個分ほど捨てようとしている。
数年後に、「なんでそんなに最低限のものだけを選んで、生活できるの?」と訊かれれば、自分の経験に基づいて答えることができる。だって、自分のことだし、自分のなかで習慣化するためのプロセスが行われたから。

物心つく頃から、朝昼晩のご飯でカレーが出てきたら、「カレーはいつでも食べていいもの」という認識を持つ。
でも、ほかのひとたちと話してみると、「カレーは夜しか食べないよ!!」、「朝ご飯にカレーって変じゃない??」となることがある。
ぼくはそうに言われて初めて、「アレ??カレーって朝ごはんで食べないの??」と疑問を抱く。
そこで初めて、周りとどうやら違うらしいことに気が付く。
ひとに言われて初めて気づくことができるのである。

コロンビアで2年間過ごして、毎回「日本人はダンスはしないし、べったり抱き合うようなダンスをする文化はないよ」と言っていたつもりでいたが、コロンビアの任地を去る5日前くらいに仲の良い同僚に「日本ってダンスしないの???」ってまじまじと訊かれた。
彼らにとって、ダンスがない人生は存在しないのだろう。それほど、ダンスはコロンビアの文化にも、彼らの習慣にも密に結び付いている。
だから、ぼくが何回も「日本人はダンスをしないんだって!」と言っても、脳内に刻まれない。

すると、「じゃぁ、日本人はダンスをしないで何をしているの?デートのとき、ダンスしないで何をしているのさ??」と必ず質問してくる。
そこで初めて、『あれ、俺って好きなひとができたとき、どういう風に誘って、どういう風に距離を縮めて、どういう楽しい時間を過ごしていたんだろうか?」と論理的に分析し始める。

ほかのひとの視点を通すことで、はじめて考えるきっかけが与えられるのだ。

こうに考えていると、意外と毎日飽きない。
実は帰国後4日目くらいには日本に一度飽きたのだが、
最近は「なんでココは1車線で、あっちは3車線なんだ?」とか、「どうして、あのひとは横の車に道を譲ってあげないんだ?」、「なんでこのレジのおばさんは、ぼくが『袋いらないです』と言ったのにもかかわらず、袋に詰め込み始めたんだ?」、「どうして、相手が45cm以内の距離に入ってくると、心的ストレスを感じるのか?」などなど。

日本の楽しみ方を理解してきました!!

 

 

今日も群馬は暑いので、水遊びしてきますー


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Chaito

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