オオヒラタシデムシがミミズを食べてるところ、初めて見た!!!
最近、ここ福島では雨の影響もあって、落ち葉がたくさん積もり始めている。
堆肥をつくるために落ち葉集めをしていると、ふと甲虫が団子状に集まっていることに気づいた。
一眼レフカメラを持っていないことを悔やみながら、
「なんなんだろう…??」と腰を据えて、じっくり眺める。
こいつら、ミミズを食べているぞ!!
シデムシは「死出虫」
シデムシという甲虫は、死体を食す分解者。
死体があるとシデムシが湧く。
そのため、「死出虫」と名前がついたようだ。
団子状にかたまっていたから、「フンコロガシみたいなやつかな?」と思っていた。
シデムシが無我夢中にずっと何かに群がっていたから、「何をそんなに夢中になってるんだ」と思い、松の葉でツンツンする。
すると、みんな一目散に逃げ、なかにはぼくが攻撃していることに気づき、ぼくの方に近づいてくるヤツもいた。
オオヒラタシデムシは、ミミズ食
「ミミズ食」という言葉を耳にしたことのあるひとは少ないかもしれないが、
動物のなかでは「ミミズを積極的に摂取する」生物がいる。
ミミズの大きさ(生物のなかでは結構大きい)で高タンパクだから、エサに向いているのだ。
ミミズ食の動物とは呼ばないかもしれないいけど、鳥やイノシシはミミズをよく食べる。
イノシシなんかは、ミミズを食べたいがために側溝や落ち葉だまりをほじくり返す。
オオヒラタシデムシはミミズ食の甲虫で、特に死んだミミズを食べるようだ。
オオヒラタシデムシは成虫になったばかりのときにミミズを食べると、体重が増加する=生育が良くなるため、ミミズは大好物だと言える。
(ミミズを食べれないときは、ミルワームのような芋虫を食べるみたい)
森林屋さんと話していてると「ミミズの死体って見ないですね」と訊かれることがある。
体内の共生菌がアウトコントロールになって、内部から急速に分解されて跡形も残らなくなるから、姿が残らない。
骨もないからね。
でも、今回シデムシがあんなにミミズを食べているところを見ると、ミミズを好む生物によって食されるからというのも理由になることを知った。
腰を据えて、写真を撮る
地べたをお尻をついて、地表と同じ視点にたつことは観察する上で大切だ。
ぼくのカメラは、モニターの向きを上下に可変できるので這いつくばって撮ることはない。
でも、昆虫の写真を撮るとき、彼らと同じ視点に立ち、
何を考えているのか、
なんでそんなに夢中なのか、
隣り合っている者同士でコミュニケーションを取っているのか、を考えるのはわくわくする。
童心に返る思いだ。
水たまりを覗くとどういう景色が見えるのか気になるのと同じこと。
初めてミミズがエサになっているところを、自然環境でみた。
それに、いつも何の気なしに歩いている道の片隅で、そのような出来事が起きていることにこれまで気づかなかった。
自分が認識していない世界というのは、存在していても、気づくことができないものだなぁ
ミミズが好きだけど、ミミズが食べられることは自然の摂理だと割り切っているからか、全く哀しい気持ちにならなかった。
ぼくは人間だから生命を危険にさらすことはほとんどないが、動物は大変だ。
人間も動物なのにね。
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