【Photos】生け花の映画「花戦さ」:それぞれがそれぞれに美しい
ぼくは生け花を習っている。
「習っている」と言っても、ようやく10回くらい教室に通った程度のもので、
【真副体(しんそえたい)】がどういうものなのかがなんとなーくわかるほどだ。
花をもって、世を正そうぞ
花の事業に携わり始めてから、花を身近に感じるようになった
ぼくはいま、有機栽培で花を生産する事業に携わっている。
その事業の中心の方にいる。
でも、花についてはわからない。
花のことを「きれいだなぁ」と思う感性はあるから、たくさん写真を撮っているが、花卉のことはよくわからない。
花卉栽培は、僕から見ればとても集約的な施設栽培なので、あまり親和性はない。
花卉にはたくさんの農薬が使われ、温室ハウスで暖房を焚いて周年栽培される。
だから、そもそもそういう花卉栽培には関心がない。
温室ハウス内の土壌はさらさらで死んでるし、
灌水することで土壌残留養分を地下水や川に流すから環境にもよくないし、
蒸散によって栄養塩が表層に集積するため、葉物野菜は硝酸態窒素濃度が高めになる。
でも、土壌を研究している身からすると、肥料をほとんど入れずに低養分下で農薬を使わずにバラを栽培したりするとどうなるのか、気になる。
慣行の花卉栽培はわからないけど、土壌管理や農地管理のことは専門なので、そういう点で有機のお花の事業に携わっている。
「花戦さ」は、自然な花の魅力がよくわかる
「花戦さ」の公式サイト:http://www.hanaikusa.jp/
花戦さは、野村萬斎が主演を演じる、戦国時代(織田信長や豊臣秀吉)を花で魅了した池坊のひとが主役。
池坊(いけのぼう)というのは生け花の流派のひとつで、生け花をつくったひとたち。
聖徳太子を奉るために、小野妹子が京都の六角堂で花を生けたことが生け花の始まりだとされている。
生け花の発祥「池坊」の公式サイト:https://www.ikenobo.jp/ikebanaikenobo/rokkakudo.html
佐藤浩市演じる千利休が、ストーリーのキーポイントになっている。
ただただ、花や枝が美しい。
作中に出てくる『昇り龍』は、ぼくのような素人が見ても昇り龍のように圧倒される。
一方で、花だけを枝にぴょこぴょこと生けていく姿は無邪気そのもので、「生け花だけど生け花ではない、常軌を逸した生け花」を感じることができる。
生け花は、立花(りっか)や お生花(おしょうか)にはルールがある。
それは、昔お坊さんが各自の仏堂に飾るために習い事として、学ぶ必要があったためだ。
多くのひとに普及するためには、ルールが必要なのだ。
それを熟知して、教える立場の主人公:池坊専好(いけのぼう せんこう)が、そのルールを大きく逸脱して生ける。
その葛藤や、その行為にどれほどの決意が必要なのかは、当時の時代背景と「生け花」がなんたるかを少し知っていればよくわかる。
Netflixで見れるから、観てみて!!
ぼくは、生け花の先生におすすめされて、「花戦さ」を観た。
Netflixにあるので、Netflixユーザーはぜひ観てください。
ダウンロードもできるので、移動時間にも観れるよ!!!
花や生け花がわからなくても、花は心を無邪気にしてくれる。
作中のうつくしい生け花作品の写真集:
http://www.hanaikusa.jp/ikebana/index.html
それぞれにそれぞれのすばらしさがある
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