原則2年間の協力隊活動は多少調整可能!! 1年半〜2年半 【期間特集第1弾】
青年海外協力隊が派遣される期間は、原則2年間です。
・現職参加制度を利用した隊員
現職参加という、仕事や役場を辞めずに休職制度を利用して参加している隊員もいます。
その人たちは、年度始めの4月1日から元いた職場に復帰するために、1年と9ヶ月の期間などで帰るパターンもあります。
たとえば、僕たち2016年度1次隊(2016年6月下旬~7月にかけて派遣された)は、原則ぴったり2年後の2018年7月ごろに帰国することになります。
しかし、僕たちの隊次の現職参加の人たちは、その多くが3月25日前後に日本へ帰国しました。帰国後2日間はJICA関係の手続きが必要なので、あまり休みはなかったようです。
・任期短縮制度を利用する隊員
また、隊員のやむを得ない事情やある特定の国によっては、任期短縮という制度を利用する人も居ます。
この任期短縮を行えば、1年と6ヶ月程度で帰国することも可能です。
太平洋州のとある国では、そこに派遣されている多くの隊員がこの任期短縮制度を利用して、2年間の当初の活動期間を満了せずに帰国すると聞いたことがあります。
また、家族の死別やアクシデントなどがあれば、緊急一時帰国が許可されているので、その経過によっては「そのまま日本に残るから、荷物を整理するためだけに一度任地に帰る」ということもあります。
そのため、「気づいたら同期の隊員が日本に帰っていた」というケースも何度かありました。その理由を訊くのは野暮ってものです。
時差などの関係で他国の国々のひとと連絡を取ることは、ぼくの場合は一切ありません。
ぼくだけのケースで言えば、駒ヶ根訓練所で知り合った180人のうち、コロンビア派遣中の隊員を除いて、コロンビアにいる間に定期的に連絡を取り合っている他の国の同期隊は1人か2人です。
*僕の場合少ないだけであって、ボランティアによってはたくさんの人と交流を持ち続けているひともいることでしょう
・任期延長制度を利用する隊員
その一方で、2年間の規定期間を少し延ばすことも可能です。それは、任期延長、もしくは延長と呼ばれます。
「活動は2年間で終わらせるもの。2年間で終わるように計画を立て、成果をあげ、そして引き継ぎを行う。」というのが基本的な青年海外協力隊が持つ心得です。
しかし、たとえば、あと2ヶ月延長すれば(2年2カ月間)、きちんと最良の成果を得ることができ、とても区切りが良い という場合もあります。活動は個人で行うものではなく、配属先の現地のコミュニティや現地の人の都合も加味しなくてはいけませんからね。
そういう際に、派遣中の隊員が申請を行い、当国のJICA事務所の審査をパスすれば、延長が認められます。
派遣国のJICA事務所の調整員さんによって、その許可基準は少し変わるような印象を受けますが。。。
そのため、延長期間は1ヶ月の人もいれば、3ヶ月、半年となる人もいます。つまり、2年間+αということです。
しかし、最近は国際協力にまわすお金がないのか、経費削減のため、JICA全体として資金が足りない(削減対象になり、縮小傾向にあるよう)ので、期間の延長はほとんど受理されないようです。
また、この期間延長というのは聞こえはいいですが、公金を当初の計画以上に余計に消費するため、それ相応の延長期間に対する成果が求められます。
当然のことですよね。だって、「原則2年間」と最初から言われているのに、そこを延ばすのですから。
ですから、「日本に帰ってもやることないから延長しよう」などという根拠のない公金の無駄遣いは受理されません。
協力隊が提出する書類(レポート)がとても少ないことは、ひとつの問題であるような気がする。
私たち協力隊員が2年間で提出する報告書は、5回のみ。
1回の報告書も、各5項目に対して400字の文字制限付き。写真での提出などはありません。
個人的に感じているのは、
明らかに隊員が自身の活動内容や教訓などをアウトプットする機会が少ないことです。
これが、ぼくがブログを立ち上げて情報を出していこうと考えた理由の1つです。
ぼくは26歳で、参加時は24歳で、まだまだ若僧ですが、日本社会で書類や計画立案を作成してきた人がこんな少ないレポートを書くのは楽チンでしょう。
たくさん活動をしていて、成果をレジュメのように要約して書いているレポート
と
あまり活動していなくて、活動をそれっぽく見せるために書いているレポート
この2つを、その文字数の少ないレポートで見分けることができるでしょうか?
協力隊の活動は、他の隊員との競争ではありません。
しかし、公金で活動させてもらっている以上は一定以上の活動の成果を上げる必要があると思います。
(僕が指す『成果』というのは、必ずしも現地の人に対して与えたインパクトのみではなくて、自分のなかの変化や成長も含んでます。)
だからこそ、自己満足だろうがなんだろうが「これが成果だ!」とその隊員が言い切ってしまえば、それは成果になりますし、なってしまうのです。
それを正しく、きちんと評価し、今後の青年海外協力隊の派遣に役立てることがJICA事務所の青年海外協力隊事務局の仕事の1つでしょう。
必ずしも、協力隊の量を増やすことが青年海外協力隊のためになるわけではありません。
協力隊の質を高めることもとても重要なことです。
ですから、すべての隊員がいずれかの一定の『成果』をあげてくれることを願っています。そして、それを知らせる機会をつくること。これも大切なことです。
1人がやらないだけで、「青年海外協力隊は税金の無駄遣いだ」と言われれるのは癪に触ります。
そのようなタイトルの本も出版されていますよね!
それは、後輩の目を積むことにつながり、現地の人が大きく変わることができる可能性さえも奪うことなのですから。
極端な話、すべての隊員が帰国後に、写真を含めたA4の活動報告書20ページ程度のものを出版したとしたら、それはとても貴重な情報になることでしょう。
一時の出来事を写真とともに切り取って「良い活動」に見せて書き上げることは簡単なことですし、JICAの定期冊子でもそのような記事がたびたび挙がっています。
自己肯定のために書かれた記事を読んでも、あまり参考になりませんよね。
なかなか他人の活動を参考にするのは難しいものです。。。
協力隊の2年間の心境の変化を書くための前段階として協力隊の活動期間について書きました。
Chao
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