すべての青年海外協力隊員は、世界平和構築の最前線にいる!!

いま、世界ではシリア情勢をカギに大きな渦のなかにあります。

日本はアメリカと親密な国際関係であることから、とても多くのニュースが日本国内で流れていることと思います。

その一方で、青年海外協力隊として派遣されている多くの人のもとには、日本で生活してる人ほど、その情勢に関するニュースは少ないのではないかと思います。

 

地球の裏側まで情報は届かない

ここ、コロンビアでは今年5月27日に大統領選挙を控えており、毎日候補者の動きや発言が放送されています。さらには先日元FARC(昨年平和合意に達した、コロンビアで最大派閥だったゲリラ組織)の幹部のひとりがアメリカでアメリカ警察によって麻薬取引関連で任意同行され、平和合意に達したはずのその元ゲリラ組織と現コロンビア政府の対応および新大統領候補者のコメントに注目が集まっています。

つまり、コロンビアのニュースから察するにコロンビアは国内情勢のことで精一杯なのです。

そのため、協力隊員の場合、意識的にYahoo!ニュースなどで情報を集めない限り、なかなか日本に住む人並みの情報を得ることは難しいです。これが実情です。

 

駒ヶ根訓練所中に、一度講師の方から候補生全員に対して、以下のような助言をもらったことがありました。

「東日本大地震が起こった直後(か直前?)に、任地のビーチで楽しそうに遊んでいる写真をFacebookに投稿した隊員がいました。それについて、『不謹慎だ』とする意見がJICAにたくさん寄せられました。みなさんはきちんと適切なメディアリテラシーを持って、活動するようにしてください。」

このようなものでした。

 

いまコロンビアに住んでいて思うことは、これ意外と難しいなということです。

 

日本の世論は、日本のニュースやテレビ放送、新聞によって形成されているため、コロンビアではそのような日本のフィルターに通した情報が手に入らないからです。

また、隊員によっては、現地の語学をより速く学習するために、日本語表記のものに触れない という人もいます。僕も日本語ばかりを週末に聞き続けるのはなるべく避けています。

語学の習得レベルによっては、数日日本語だけで会話をしているだけで、スペイン語をスムーズに話せなくなってしまうこともありました。

協力隊員も日本のニュースを定期的に見る必要があると思いますが、それと同時に“とても大きな事柄が起きた”ときは協力隊員に連絡してあげるといいのかもしれませんね。

 

 

青年海外協力隊の存在自体が日本と世界を繋げる平和構築の最前線である

 

さて、私たちは協力隊員です。

そして、これまでに4万3656人もの元青年海外協力隊員の方々が世界中で活躍してきました。JICAサイト

 

ぼくらが派遣される理由はなんなのでしょうか?
たくさんの答えがあると思います。

 

職種による専門的な技術移転協力。

 

日本文化を派遣先の現地の人に紹介する。

 

国際協力の経験を、日本社会に還元する。

 

 

その1つが、世界平和のためでしょう。

 

例えば僕の場合、僕はコロンビアでたくさんのコロンビア人と一緒に働いていますし、なるべく多くのコロンビア人と関係を持つようにしたいと考えてます。
なぜなら、1人でも多くのコロンビア人が僕のことを認識して、日本人に対して好意的なイメージや親密な印象を持ってくれれば、その人にとって「僕自身が日本という国の象徴になる」からです。

地球の裏側には、ほとんど日本の情報は正しく、たくさん届いていません。

それは日本でも同じです。南米の国の情報にたくさん触れる機会はあるでしょうか?

コロンビア人の顔をイメージすることができますか?なかなかコロンビア人の知り合いがいないと難しいですよね。

ハメス・ロドリゲスが、日本で最も有名なコロンビア人の一人だと思いますが、彼がどういう声で話すか知っていますか?多くのテレビで彼を紹介することはあっても、彼のインタビューの多くでは吹き替えられて、ハメスが日本語を話していることでしょう。

 

「知り合いがいる」というつながりは、とても大きなものなのです。

ぼくはアメリカ人の友だちがいませんし、アメリカに行ったこともないので、まだ「アメリカ人はハンバーガーとコカ・コーラだ大好きで、ほとんどのひとが太っている」というステレオタイプのアメリカ人像を持っています。

でも、きっとひとりでも知り合いがいれば、そのアメリカの世界をより身近に感じ、映画のなかのストーリーで終わることはないでしょう。

 

ぼくは農家さんに、「映画に出てくるアジア人の俳優と本当に同じなんだね」と何度か言われたことがあります。

つまり、ぼくが彼らに出会うまでは、アジアの世界はテレビやインターネットのなかにある世界だったのです。

そして、それは同時に、ぼくがとる行動ひとつひとつが「日本人はこういう人たちなのだ」という拡大解釈されてしまう可能性も秘めているのです。

 

だからこそ、青年海外協力隊員は国の代表という自覚を持って生活するべきで、そのように見なされることを自覚して言動に気をつけるべきなのです。
公人 とはつまりそういうことなのです。


もしコロンビアと日本が戦争になってしまいそうになったとしましょう。
そのとき、僕が働いている配属先のみんなは「ジュンペイがいる日本とは戦争なんかしたくない。武力に頼らない別の道があるはずだ!」と必ず考えてくれることでしょう。それは僕のコロンビアの友だちも同じで、ホストファミリーも同じでしょう。そして僕も同じです。

さらには、いつも買いに行って、僕が日本人であることを知っているスーパーの人や売店のお姉さんもそうの思ってくれるかもしれません。

授業をした学校の子どもたちや友だちが僕のことを「チーノ(中国人)」と読んできたときに「彼は日本人だよ!」と正してくれるちびっこもその味方になってくれるのかもしれません。

 

一度快く写真撮影に応じて、一緒に写真を撮ってFacebookに自慢のために投稿してくれた若者たちやアルコールをおごってくれて一緒に飲んだおじさんたちも同じかもしれません。

道端でいつも飴を売って募金活動しているベネズエラ人も顔見知りになれば、ぼくの国籍を訊いてきますし、タクシーの運転手さんも同じです。
そういうちょっとした繋がりやそのときに取る行動の1つ1つで、「ジャパン」のイメージが作られるのです。

 

そして、そうして協力隊員の周りにできたジャパンを囲む輪というものこそが、青年海外協力隊が貢献できる世界平和構築のための活動なのだと思います。

 

 

極端な話、例えばぼくがコロンビアに住むすべての人と直接的な知り合いになることができるとしましょう。

そうすると、きっと多くの人がコロンビアと日本が戦争や悪い関係になってしまったときに、ぼくのことを思い浮かべてくれるでしょう。ぼくが「コロンビア」と聞いて、ぼくの同僚や友だち、家族をイメージするのと同じです。

 

これこそが、我々協力隊員のひとつの大きな協力なのでしょう。

 

なぜなら、日本に住むほとんどすべての人は「コロンビアが何か」は知っていても、「コロンビアが実際にどういう国か」を知りません。

知ることができません。

 

しかし、我々のように協力隊経験を通して2年間その派遣国で、その現地の人ともに生活し、活動をしたひとたちは、その国およびその国の人々と日本との架け橋になることができるのです。
だからこそ、ぼくは、青年海外協力隊の2年間だけで、現地の人との関係が切れてしまうのはもったいないと思うのです。
可能なら、ずっーーと続けられるのが理想でしょうし、日本にいるときに現地での知り合いが日本を訪ねてきたときは案内ができたらいいなと思うのです。

 

少しでも多くの世界のひとにとって、日本というものをより近くに感じてもらいたい。
それは、中南米やアフリカでは、アジア諸国よりも難しいことかもしれません。なぜなら、歴史的なつながりがあまり強くないですから。

 

アジアでは日本は長らく「目指すべき国家」であったため、多くの人が日本の良さや戦後復興、昔の日本人の素晴らしさや勤勉性を知っており、一目置いてくれています。そういう歴史的な下地があります。ですから、日本人が働くとなれば、最初からある程度の敬意を表してくれることでしょう。

 

 

しかし、歴史的なつながりが薄い、中南米やアフリカではそういう下地がありません。

もちろん、移民の方やさらにはその親族の方々の活躍によって、「日本人」が一定以上の評価を受けている国も、ブラジルやペルーのように少なからずあります。
しかし、現代に生きる我々は結局のところ、過去の先輩が築き上げてきた評価の上で「日本人」として活躍することができているのです。
ですから、我々はその下地の上にそれぞれが、さらに積み上げていくことが大切なのでしょう。

 

さすれば、
これからの将来の日本のため、日本人のために、さらにしっかりとした“下地”を創ることができるようになるのです。

 

歴史や生物というのは過去からバトンをもらい、未来へとつなぐモノです。
我々は未来を明るくするために、現代を生きるのであって、暗い未来に陥れるために足を引っ張り合うものではありません。

 

青年海外協力隊の活動というのは複雑かつ難しく、そして意外と寂しいものです。
職種の活動や配属先での人間関係に滞りを感じたときは、このような日本と派遣国の世界平和の架け橋となっていると考えて、友人と出かけてみるといいのかもしれませんね。

 

確かに1人でインパクトを残すことは難しいことです。でも、1人の人間として、1人の日本人として相手に接した親密な時間というのは意外と記憶に残るものです。

 

街中でバカにされることはあっても、バカにし返さないようにしましょう。

ストレスが溜まるかもしれませんが、そんなときは日本人のひとに話すようにしましょう。

 

人間ですから、うまくいかないことばかりで、自分の感情をコントロールできない時もあるかもしれません。

まぁそういうときは仕方ないです。気楽に生きましょう!

 

 

 

 

おまけ

コロンビアの今の任地に着いた頃、2か月間ほどスラックスを折り曲げて、7分丈のように履いて職場に行っていました。

すると、ある日同僚から「日本ではその履き方が流行っているの?」と聞かれた質問がありました。

ぼくはただ単純に「暑いから、織りあげているだけだよ」と答えましたが、そのときぼくの特に意味を持たない行動も、彼らの文化のフィルターを通して解釈されてしまうのだなとすこし驚きました。

自分のちょっとした行動が「日本全体のことのようにとらえられてしまう」のです。

それ以降、極力「良い日本人」を努力して演じるようになりました。すこし気が抜けて、だらしない日本人になってしまうときもありますが、そういうときは少し考えなおして、「日本の代表として見られているから」と思いとどまるようにしています。

 

 

 

そんなことができるのもあと2か月ちょっとですから、少し寂しさを感じます

 

 

Chao


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Chaito

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