【なぜ】降水量を深さで表現するのは、雨が(どの面積あたりにも)均等に降るから
雨量を表現する際に、「1時間に○○mmの雨が降ります。」と言う。
この表現、最近まで全く理解できていなかった。
どうして雨の降水量を表すのに、高さや深さを表現する「ミリメートル」を使うのだろう。
何リットルとか、何ミリリットル、量で表した方がわかりやすいんじゃないかなと思っていた。
目次 Índice
結論:雨は上から満遍なく降るので、どの面積あたりでも降水量が変わらない
雨は上から降ってくる。
横殴りの雨が降ってきても、その雨は上からやってくる。
たとえ、北風にあおられて斜め65度の角度から雨が地面に到達したとしても、すべての雨が同じように斜め65度で降ってくるので、面積あたりに降ってくる量は変わらない。
面積あたりに降る雨の量は変わらないので、1時間に5mmの降水量なら、
・ペットボトルのキャップに入る雨の量
・マグカップに入る雨の量
・蓋のないゴミ箱に入る雨の量
・お風呂の湯船に入る雨の量
・軽トラックの荷台に入る雨の量
・屋外の25mプールに入る雨の量
すべて同じ5mmになる。
なぜなら、雨は均等に降るから、流入する面積が1平方センチメートルだろうが、100平方メートルだろうが、面積あたりに溜まる水の深さは一定なのだ。
だから、「1時間に100mmの雨が降る」としたら、
コップに10cmの雨が溜まるし、
25mプールにも10cmの雨が溜まることになる。
(※雨は降るとすぐになくなってしまうので、雪「降雪量」に変換して考えるとわかりやすいかもしれません。
雨は積もりませんが、雪は降った分だけそのまま積もるので。)
ぼくは、「降水量○○mmの分母の単位は何よ」と思っていた
降水量が深さの単位で表現されることに違和感があったぼくは、
100mmの雨が平方メートルあたりに降るのか、なんなのか気になっていた。
だって、降水量の深さが表すものがなんなのかあまり考えたことがなかったから。
で、「きっと平方メートルあたりだろう」と思って考えてみると、
平方メートルあたりに○○mmの雨が降るってことは、
平方キロメートルあたりにも○○mm雨が降るってことか!
と、ふと腑に落ちた。
だって、いわゆる立方体の計算と同じだからね。(底面×高さ)
【高さ】にあたるのが、降水量の深さmm。
降水量をミリリットルという水の量で表してしまうと、平方メートルや平方キロメートルという面積あたりの表現にならざるを得ない。
たとえば、【1000ml/㎡】
こうなると、イメージができない。
平方メートルあたりに、1Lの雨が降るってイメージできます??
(この場合、10mmの降水量です。「1000㎤=底面(100cm×100cm)×高さ」)
平方メートルあたり1cmの雨が降ると、1Lの雨量になるので、計算でまとめることができます。
でも、高さで、降水量100mmと表すと、どの面積あたりも10cmの雨が降ることが瞬時にわかる。
ゴミ箱に雨を貯めたら、自分の足首くらいの高さ(10cmの深さ)に水が来る(実際には、地面を流れるので貯まらないけど。。)。
降水量100mmを1平方メートルあたりの水量に換算するには、
縦×横×高さ(100cm×100cm×10cm)で、100Lになる。
で、たとえば、縦10cm・横10cmの面積の四角いゴミ箱には、
縦10cm×横10cm×降水量10cmで、1,000ml=1Lの水が貯まる。
降水量は、面積あたりに貯まる水の深さで表現した方がわかりやすいのだ
注意:底面と上面の面積が同じでないとダメよ
面積あたりで表しているから、ボンキュッボンの形だと雨が入る面積が一定じゃないからダメよ。
インスタントラーメンのカップヌードルは、上の口の部分のほうが下の底面より広い。
そのような、円柱や立方体のように、上面と底面の面積が同じでないと、この降水量の表現は使えないので注意が必要。
シーフード味のカップヌードルでたとえれば、
上面の雨を受け入れる面積の方が底の面積よりも大きいので、より深く水が溜まる(たくさん雨をキャッチできる)。
これは、トマトチリ味でも同じだ。
バケツとかね
逆にひっくり返したプッチンプリンのような、上面が狭くて、底面が広いものでも雨が流入する面積が変わってしまうからだめだ。
理系なのに、まったく持って理系ではないな。
台風が大変だから、降水量にも上限があってほしい。
どのくらいの降水量だと、私たちの実感と一致するのか
知らないことばっかりで小ばかにされることはあるけど、少しずつでも知識と理解を増やしていきたい。
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