派遣前の協力隊員は、配属先への自己紹介文を書いておいて、すぐさま配属先で表明するべき

新しい場所や新しいグループ、新しい職場で働くとき、まずはじめに行うことは自己紹介だろう。

そこで、名前だけを紹介するよりも、専門や過去の経験も併せて話したほうが自分のことをよく知ってもらうことができる。
それは、日本でもそうだし、普通に考えて、世界中どこでも同じはずである。

だれか初対面の人と話すとき、雲を掴むかのように全く情報がない中話すのと、相手の略歴がわかった状態で話すのとでは、話の膨らみ方が違う。

協力隊に応募するときも、転職をするときも、一般的にエントリーシートや履歴書を提出する。
それは、それらの情報があると、話が進みやすいからだ。

では、なぜ、青年海外協力隊の隊員が途上国の任地において、自己紹介文をすぐさま配属先内で共有しないのだろうか??
これは、常識的に考えて、すべてのひとがやるべきことだろう。

これから、派遣される(予定の)ひとは、
自分の活動に関する専門やそれに関する略歴、開発に関する考え方を紙にまとめて、訓練所の語学クラス、もしくは派遣後の任国での語学研修で、語学講師のかたに添削をしてもらって自己紹介文を作成しておいたほうがいい。

「動かざること道端の仏像の如し」な隊員

青年海外協力隊というのは、べつに高嶺の花のような存在ではない。
ただの日本人ボランティアだ。

ときどき、「相手が何も求めてこないから、何もしなかった」というような話を耳にすることがある。
それは、道の脇の仏像が如く、居たからなのではないだろうか。

有り難みを持って、手を合わせて、お辞儀して、教えを請うてくれることを相手に求めているのだろうか。
自分の立ち位置から動くことはない。

自分が動かなくとも、相手が来てくれるような魅力的なひとであればよいのだろう。
「途上国だから」という理由で、そのように動かざること仏像の如しを決め込んでいるのなら、その姿勢には問題があると思う。

日本社会において、給料をもらいながら、誰かに仕事を振られるまでただ座って待っている者に価値があるだろうか?
そういう者に、給料を払いたいと思うだろうか?

ぼくは、払いたくない。

青年海外協力隊は公金で成り立っている。

ときに動かないで、相手の行動や変化をジッと待つ ことも大切なことだが、ずーっと「道端の仏像」スタイルを決め込んでいたとしたら、あきらかに意味がない。

なぜなら、日本ではその人に価値があるのかもしれないが、途上国で「ヒト対ヒト」の付き合いをする彼らに日本の業績をいくら並べようと関係ないからだ!

「あなたは、どういうひとなのですか?」:肩書きはどうでもいい


ぼくは、ひとのことを仕事や経歴で判断しない。
というか、そこにあまり関心がない。

単純にぼくが無知で無頓着なだけだと思う。

でも、仕事以外で、そういう肩書きを過度に気にする必要があるだろうか?
人間味のある付き合いをしたいのに、そこで社会的な地位だと思い込んでいるものを振りかざされても、意味がわからない。

トヨタで働いていようが、省庁で働いていようが、農家だろうが、コンサルだろうが、公務員だろうが、1人の人間なわけで、仕事の付き合いを意識しない場では対等な関係だろう。
というか、仕事や役職によって、仕事のしがらみがない場所で、みなが平等な関係でない意味がわからない。

年上の方を敬い、年下のひとたちを未来の華として温かく見守ることは当然のこと。

この記事は日本社会に一石を投じることを目的としていないので、途上国の社会での我々の立ち居振る舞いの1ポリシー案を知ってもらいたいから書いているので、話をズラす。

途上国の社会では、われわれが日本でどう働いていようと関係ない。それに興味もない。

彼らが求めるものはひとつ。

 

「あなたは、どういうひとなのですか?」という、根源的な問いだ。

 

「何も求めてこない!」ではなく、「何を分け与えることができるか」を提示するべき


肩書きは、多くの場合意味をなさない。

日本の部長というのは、コロンビアでなにか役に立つのだろうか?
日本で部下を10人持っていたら、コロンビア人を20人コントロールできるのだろうか?

彼らが知りたいことは、
「あなたが何を彼らに分け与えることができるのか」
ということだ。

分け与えられるのは、アイデアや技術、考え方などさまざまである。
技術や知識は腐らないし、分け与えても減るものでもない。

だから、重要なことは、
自分が協力できる(分け与えることのできる)ことを先に提示することだ!

自分が何をできるか知らせなければ、相手は自分が何をできるか知るすべがない。

興味・関心があれば訊いてくるだろう って??

あなたにそれだけの価値があり、相手がその価値をあなたが望むとおり理解してくれれば、関心を示してくれるかもしれない。

でも、価値観が違うひとに「価値」を共有することがめちゃくちゃ難しい行為であるということは、先にお伝えしておきます。

自分の居場所を確保するためには、環境に馴染む前に自分を売り込むべき

ジャンケンでは後出しは許されない。
あとで情報を足すことは、どこか誠実さに欠ける気がしなくもない。

新しい環境に入り込む。
その環境に馴染むと、必然的に自分の居場所ができあがる。
まわりが「(彼らが思う)自分」を理解してくれるので、それに合わせてくれる。
彼らが道を拓いてくれると言うこともできるかもしれない。

新しい環境に馴染むことは、大切だ。
それは自身にとっても、受け入れる側にとってもたいせつだろう。

でも、協力隊員はここで、環境に馴染みきる前にひとつ布石を打つべきかもしれない。

なぜなら、周りの環境が固まってしまえば、拙い言語能力で環境を変更させていくことが難しいからだ。

環境が“軟らかい”内は、まだまだ受け入れる側も「(相手が思う)自分像」を抱いていないので、柔軟に対応してくれるだろう。

だからこそ、ぼくは配属先に着いたら、1ヶ月以内に(可能な限り早く、自身を売り込むのにより適したタイミングで)自己紹介をきちんとすることだ。

紙でも、メールでも、ワードでも良いだろう。
必ずしも、大勢の前で話す必要もなく、パワポで発表する必要もない。
きちんと自分の「協力できるもの」とその協力スタイルを伝えると良い。

語学訓練があるのに、どうして自己紹介文を作らせないのか、逆に疑問なくらい

語学の先生が全てを書いて、自分が表現できない高レベルな表現を使うのはよくない。
でも、きちんと語学がある程度できることを広報するためにも、誰かの添削は受けるべきだ。

文法がヒッチャカメッチャカで、難読な文章を書いていて、それを相手に渡したらどう思うだろうか?
「このひとは、きっと私と会話しても、話の半分以上は理解できないだろうな」
そうに思うのが普通だろう。

われわれが日本語でたくさんの情報を交換し、目に入るものがほとんど全て日本語で表現されている日本社会を鑑みれば、任地の言語を習得する語学力というのは大切だ。

だから、がんばって、自己紹介文を書く。

というか、任地では100%自己紹介をする機会があるのだから、それに備えることは当然だと言える。

そこできちんと
・自分が任地に来た理由(経緯)
・協力できる専門
・協力スタンス
・2年間でどういう状態まで達したいか(理想)
くらい、書いておけばよいだろう。

日本のどこ出身なのか なんていうのは、どうでもいい。
というか、そんなの知っても、雑談的な時間つぶしくらいにしかならない。

「コロンビアのブカラマンガ出身です」
「コロンビアのどの辺にあるの?」
「暑いの?」

こういうことは仲良くなった後に、日本紹介で話せばいい。

ぼくは、「ぼくが農業隊員として、どういう農家支援をしたいのか」を書いた

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自分の専門や協力できること以外に大切なことは、われわれ異世界の民がどういう考えやポリシーを持って、その場所で2年間働くかである。

ぼくは、農村開発する際に、
換金作物を売るために生産する以前に、農家さんの健康を守るために自家消費用の作物を生産するべきであることを伝えた。

これは、同僚たちがどういう働き方をしているかを知る前で、自分が働くことになる配属先の農業プロジェクトがどういうコンセプトの支援をしているのかを知る前だった。

つまり、相手がどう考えているかを知る前に、自分からぼくの開発ポリシーを語ったことになる。

幸いにも、何も知らずに話したぼくの開発ポリシーは、彼らのプロジェクトの方針や配属先の方針にも沿っていた。
よかった。

もし、ぼくが主張したことと彼らが持っている価値観が違えば、溝が生まれていた可能性もなきにしもあらずであった。

これから派遣されるのであれば、「自分が専門性を元にどういうスタンスで、どういう方向性で活動を行いたいのか」を考えておくとよいだろう


一目惚れは、最初のインプレッションで決まるらしい。

発表や読み物もそうだ。
最初の語り口が巧みで興味を惹かれれば、続きが気になってくる。

語学的にうまく思い通りに伝えることができないからこそ、事前に準備して、先に「今後協力できそうこと」を提示して、予約しておく必要があるだろう。

そのためには、自分が理想とする活動を考えて、それを自己中心らしく、表明してみるとよい。
だいたい、強く伝えても、相手は覚えていないものだ。

 

 

鉄は熱いうちに打て

相手が自分に関心を示してくれているうちに、「自分」を表現して、自分が理想とする活動ができるように形を整えていければ、それは大きなスタートダッシュになる。


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Chaito

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