福島の寒さの深淵がわからない無天気予報生活 と 小学生の雨の日フォーメーション
ここのところ、どうやら福島市は秋に入ったようで、とても涼しい。
一枚羽織るものがないと、すっかり「寒い」と声に出してしまいそうになるほどだ。
つい2,3週間前まではとても陽気な天気で、汗染みができないシャツを買いに行っていたくらい暑かったのに、最近はその名残さえない。
11月くらいまで使わないだろう と思っていた数少ない冬服をこそこそと押し入れから取り出し、今やそれらの服がメインになりつつある。
そんな今日は、コロンビアのボゴタで生活していた時と上から下まで全て同じ服装で、外に出る。
コロンビアから帰ってきてから運動や筋トレをしてがたいがよくなったからだろうか、コロンビアで買ったTOTTOのSサイズのシャツを小さく感じる。
到着当初はSサイズがちょうどよかったのに、今ではワンランク上の男になってしまった。
体が大きくなることはうれしいことなのだが、いかんせん、中南米でしか手に入れることができない服が着れなさそうになるのは悲しいものだ。
これから、福島の秋がやってくる。
9月の段階でこれほど寒いということは、10月、11月、12月とどんどん寒くなっていくのだろう。
朝目が覚めたときのベッドの保温効果に、ぬくぬくしてしまうのも近い。
そして、帰りのホームで待つ自分の息が白い。。。
この時期に、僕が持ちうる最強の暖房着を出し尽くしてしまったのだけど、これからどうしたものやら
帰国後は、その日暮らしの天気予報
さて、ぼくはテレビを持っていない。
家にテレビがない。
この前、NHKのひとがやって来たが、テレビを持っていないし、ワンセグも持っていないし、デスクトップ型パソコンも持っていないので、支払う必要がなかった。
(デスクトップ型パソコンはテレビを見る性能を備えているということで、支払い義務があるそうですよ!)
家にいる時間も長くない。
仕事に行って、仕事から帰ってくる。
すると、10時間しか時間が残らない。
ぼくはよく寝るタイプのヒューマンなので、7時間、8時間は寝る。寝たい。
23時に寝て、6時に起きる。
家でテレビを見ることができる時間は、21~23時くらいのものだ。
何か見るなら、ユーチューブでいい。
ニュースはネットで見る。
それでいい。
だから、「それでは天気予報のお時間です」がない。
毎朝、起床とともに、気温を肌をもって知る。
カーテンを開け、開けっ放しの網戸を下から覗き込むように空を見上げる。
これだけ。
その日に、着ていく服装を決める。
山を越えれば別の天気になるコロンビア
帰国してからの3か月間、テレビの天気予報を真剣に見たことはない気がする。
小中高校生だったころは、家を出る前に家族が「今日雨降るみたいだから、傘を持っていきな」と助言をくれた。
それに、うちでは常にテレビが点いていたし、朝ドラを見ていたから、関東地方の天気予報や最高気温を知る機会にあふれていた。
それが、コロンビアに行き、「天気は観るものではなく、感じるもの」と言わんばかりの生活を送る。
実際、山を一つ越えれば、雨が降っていたりするから、天気予報があってもあてにならないのだろう。
それに、雨が降ったら、雨宿りをすればいいだけのこと。
時間にそこまで厳しくないコロンビアでは、「雨が降ったから遅れる」という理由は実に有効だ。多くの人がバイクを利用しているからね。
『無事此れ名馬』ではないが、ケガなく無事に目的地まで着けば、遅刻しても大きな問題ではないのだ。
だから、コロンビアでの2年間は、天気予報を見ていない。
「天気予報」というスペイン語さえ知らない。その単語を発したことがない。
雨季・乾季のみであるため、季節的な気温の変化が少なく、雨が降るか降らないかという2択だから、服装も気にしなくていい。非常に楽。
それに、台風とか来ないし。
そういう突発的に大きな変化をもたらす現象は、コロンビアにはない。
真面目に訊くと、エルニーニョとかラニーニャがあるけど、ふつう一般のコロンビア人はそういう周期の気候を気にしていない。
福島の寒さの奥行きが見えない楽しさ
いま、福島はすでに涼しい。
それはそれは、涼しい。
この涼しさはいつ寒さに変わり、その寒さはどこまで寒くなるのだろうか。
ぼく個人的には、もう「冬」と言ってもいいくらいに思っているのだが、きっとまだ秋だろう。
電車で一緒になる高校生がセーターを着るようになり、駅に隣接する商業施設で働く人たちはおそろいのストールを巻き始めた。
涼しさは好きだけど、寒さはほっぺが赤くなるから嫌い。
外は寒いのに、中は暖房で温かい世界が苦手。
電車とか、教室とか、お店とか。
せっかく外の寒さに合わせて服を着ているのに、中はすごく暑くて汗がにじんでくる。
中も外気に寄せてくれればいいのに、と密かに思う。
雨の日フォーメーション
さて、最後に。
福島の小学校や幼稚園保育園の柵が低くて、こんなご時世なのに閉鎖感を感じない。
地域を信頼している感じがして、すき。
毎朝7時ちょっとすぎに家を出るので、近くの小学校に向かう子どもたちと一緒になったり、すれ違う。
この地域の登校は、どうやら班登校ではないうようで、みんなばらばら住宅街の十字路から、ひょっこりと顔を出して安全確認している。
雨が降っていない日は、みんなばらばら横になって歩いていたりするのだが、雨の日だけきっちりと縦に並ぶ。
たまたまいつもそうなのかもしれないけど、いくつかの集団に限っては、雨の日は必ず縦にきれいに班登校している。
これがおもしろい。
雨の日は特別な指令が出ているのだろうか。
それとも、自分たちで判断して、縦に並んでいるのだろうか。
黄色の傘を広げているから、横に並べないという理由があるかもしれない。
それでも、雨の日はあのフォーメーションが一番良いだろう。
ぼくは、小学校低学年の子たちが雨の日にきれいに一列になって歩いていることを、雨の日フォーメーションと呼んでいる。
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