コロンビアに派遣されると、身体的にも一回り大きくなって帰ってきます! 協力隊員、太るひともいます
日本での派遣前訓練。
長野の駒ケ根訓練所の健康に関する講座で、こう言われた。
「コロンビアに派遣された隊員さんは、帰国後の健康診断でみなさんコレステロール値が高くなって、値が引っかかってますね!(真剣)」
各国隊員に対して健康アドバイスを行っていたのに、なぜかコロンビアだけ「太る」感じだった。
あのときは、「なんでコロンビアだけそんな肥るのよ??」と思っていた。
2年間もその”例の国”で暮らしていれば、その理由はわかる。
答えは、
プレートの上を占める圧倒的な量の炭水化物
安価なファストフード
暇なときのコカ・コーラ
非常にわかりやすいものだった。
身長も伸びたけど、体重も増えました
コロンビアに派遣されていた2年間で、身長が0.7ミリくらい伸びた。
派遣前は176.5cmくらいだったけど、帰国後に計ったら177cmになっていた。
177cmという切りのいい数字になって良かった。
前までは四捨五入したら177cmだったので、いつも「身長は176cmです」と言ってたけど、これからは177cmと言える。
コロンビアでは日本にいるとき以上にたくさん寝た。
休みの日は8時間以上寝て、それに加えて昼寝もした。
だから、1日の半分を寝ていることもよくあった。
単純に疲れていたのだ。肉体的な疲れもそうだし、精神的な疲れもあったのだろう。
泥のように眠ってばかり居た。
同僚たちにも、ぼくが寝てばっかりいることがばれていたので、週末の予定を訊かれると毎回まず初めに「明日は寝るの??」と訊かれたほどだ。
もともとたくさん寝ないといけないタイプなので、こればかりは仕方ない。
それと、体重もこの2年間で結果的に増えました。
「結果的に」というのは、体重の推移があったので。
コロンビアに出国する前は、
身長176.5cm
体重 67。0kg くらい。
11ヶ月目に一度日本に一時帰国した際は、
体重 66.0kg くらいだった。
1年目は体重をきちんと管理できていたので、あまり太らなかったのだが、運動をする機会がなかった。
だから、体重がグーンと増えることはなく、70kgに到達するかしないか程度だった。
それでも、体重が増えてはいたんだけどね!
で、1年目の区切りとして、ちょうど一時帰国するから、そのタイミングで体型をリセットしようと思って、ジョギングなどの運動をするようにした。
それで、アメリカのヒューストン経由で日本へ帰国する際に、ずーっと寝ては読書し、寝ては読書しを繰り返して、1日半ご飯を全然食べずにいたら、日本の地に着いたときには痩せすぎていた。笑
だから、スナップデータだと1年目は66kgなのだけど、実際は
0ヶ月目:67kg
9ヶ月目:70kg
12ヶ月目:66kg となる。
このころは、まだエンパナーダのおいしさを知らなかったし、自分から率先して午後の3時にコカ・コーラを買ったりすることがなかった。
エンパナーダ
その後、帰国直後に計った体重が75kgくらいなので、かろうじて『1年間で体重が10kg増えましたか?』という質問はNOだった。
ちなみに、身長177cmの男性の標準体重は68kgくらいらしい。
らしいというのは、そうにクリニックで書いてあったけど、ぼくはそれを信じていないから。
177cmの68kgって、細すぎない???
いや。
もともとぼくは176.5cmで67kgだったからわかるけど、細い。
もちろん、筋肉と脂肪の割合によって、体型は同じ体重でも大きく変わってくるから、その数字だけ眺めても仕方ない。
それでも、コロンビアの体型基準に毒された僕からすれば、177cmの理想体重は72kgくらいだ。
ぼくはそのあたりを目指している。
いまの75kgという体重は、ポチャンポチャンな体型。
だから、絶賛筋トレ中で、絶賛ランニング中で、絶賛自転車ツーリング中なのである。
来月は、ちょっとしたビギナートライアスロンに参加する予定でもある。
だから、「痩せる」のではなく、運動をして、身体を引き締めていきたい!!
塩分過多・どっさり砂糖・カロリーオーバーの3拍子が揃ったハイパーな世界
・塩編
さて、人間の舌というのは面白いもので、最初の数週間「塩おおいな」と感じていても、途中からそれに慣れ、いつか塩分を過剰に摂取していることに気付かなくなる。
慣れというのは、ときに恐ろしいものだ。
そうすると、塩を感じるために、塩がかかった料理にさらに塩をかける羽目になる。
ぼくが住んでいたホームステイ先は、週6日3食提供してくれた。
僕以外にも2部屋別に、部屋を借していたので、この2部屋を借りる2人はときどき入れ替わっていた。
そのとき、最初に新しい入居者がご飯を食べると、「これ、しょっぱくない?」と僕に訊いてくるのだ。
その質問をされるたびに、ぼくは「ああ、これは帰国後の血液検査引っかかるだろうな」と肝に銘じていた。
だって、ぼくはその「しょっぱいとされる料理」にさらに塩を振って食べていたから。。。
・砂糖編
コロンビアは、世界的にコーヒーが有名な国のひとつである。
国内でもたくさんのコーヒーが消費され、すべてのコロンビア人にとってコーヒーは身近な存在である。
ぼくはコーヒーを生産するコーヒー農家さんたちとも活動していた。
配属先のオフィスには、必ずコーヒーメーカーなみなみに1.5L分くらいのコーヒーが備えられていたし、家にも毎日必ず1L以上のコーヒーがあった。
だから、ぼくは毎日カップ6杯分くらいは飲んでいた。
コロンビアでは多くの場合、カップほどの大きさではなく、日本酒のおちょこを一回り大きくしたサイズの小さなプラスチックカップでコーヒーを嗜む。
このサイズのコーヒーに、4gのシュガースティックをすべて入れる。
ぼくは途中から、コーヒーを嗜むのではなく、めちゃくちゃ甘いコーヒーのようなものを嗜んでいた。
しかし、これが美味しいのだ!!
だから、困っちゃう。
配属先でコーヒーを大きなカップで飲むときも、シュガースティックを1つ入れる。
毎回砂糖を入れて飲んでいたわけではないが、1日6回のコーヒーで、毎回スティック1本分使い切っていたとしたら、4g × 6本 で24gの砂糖を摂取することになる。
世界保健機関WHOが推奨する砂糖などの糖類の摂取量は、1日スプーン小さじ6杯分まで。25gである。
冷静に計算してみると、驚愕の事実である。
これ以外に、午後のおやつの時間に4人で2Lや3Lのコカ・コーラを開けてしまう。
そこに、クロワッサンのようなパンが一緒にある。
お昼ご飯に家で提供されるフルーツジュース。
これにも当然砂糖が追加されている。
多くのひとが、南米のフルーツジュースがフルーツ本来の甘さで成り立っていると考えるかもしれないが、実際かなりの量の砂糖が加えられている。
「フルーツジュースの砂糖抜き」というものを注文できるレストランで、飲み比べてみるといい。
自分が知っているフルーツジュースの味と、フルーツ本来の味がとても違うことに驚愕するだろう。
コロンビアではフルーツは1年中栽培できるので、収穫できて、出荷できる。だから、市場では年中ほしい果物を買うことができる。コロンビアのフルーツは甘くない。というのも、日本のように品種改良があまり進んでいないからだ。だから、パイナップルが日本のパイナップルの7割くらいの味がしなかったりする。
ぼくらが良く知る日本のフルーツと糖度が違うので、必然的にそのレベルのおいしさのフルーツジュースを作るためには砂糖を追加する必要があるのだ。
家でレモネードを作ってくれる。
1度に作る量は2Lとか。
だから、レモンも砂糖もたくさん使う。
夕方に余ったレモネードを飲もうとすると、レモネードの容器の下に砂糖が沈殿していることに気付く。
溶解しないほどの砂糖によって、あの味が支えられることを知ると、「ああ、これは帰国後の血液検査引っかかるだろうな」と気付く。
そして、おしっこするときに、なんかいつもより泡が立っているような気がしてやまないのであった。
・カロリーオーバー編
途上国と聞くと、やせ細ったひとをイメージするかもしれない。
でも、それは間違いでもある。
何をもってして「十分な食料」と呼ぶのか知らないが、お米やイモばっかり食べていても一応生命活動を続けることはできる。
それをわれわれは「健康ではない」とみなして、「もっと野菜を食べるべきだ」と思うのだが、それは富める側の人間が日常生活においてたくさん食の選択肢があるなかで、自分の意志によって『健康な食べ物』を選んで食べているのである。
それを食のレパートリーが少ない人たちに対して、いきなり「野菜を食べたほうがいいよ」と伝えても響かない。
「学校で勉強する」ことが当然のことであるように錯覚している我々が、勉強は本来贅沢であることを知らずに、学校で怠けているのと同じようなものだ。
『健康に良いものを、自分の意志で選択して食べることができる』ということはとても贅沢なことだ。
健康になってほしいと願い、野菜栽培を促す。
これは、ぼくの活動の根幹のひとつでもあったわけだが、ぼくはその活動経験を通じて、食のレパートリーを増やすこと・料理の選択肢を増やすことの重要性を感じ、そして学んだ。
これらの『途上国における健康とはなにか』については、別の記事で取り上げよう。
さて、ハンバーガー。大好きだ!!
マクドナルドのビッグマックよりも二回り以上大きなハンバーガーを月に2回くらい食べに行っていた。
ハンバーガー自体ジャンクフードだから、カロリーは高い。
これに、フライドポテトが付く。これも美味しい。
さらにこれらに、タルタルソースやパイナップルソースが付く。
これらを全部使い切ったうえで、さらにタルタルソースを店員さんにお願いするコロンビア人は多い。
追加に、さらに追加するスタイルだ。
実にハイパーである。
それでも、やはり美味しいから、ついつい食べてしまうのである。
2年前ぼくが配属先で働き始める少し前に、働き始めた人がいた。
親友である。
彼は、この2年間で15kgくらい肥っていたし、今もなお肥り続けている。
とても仲の良い彼女がいるのだが、コロンビア人は愛が一番大切であって、あまり外見を気にしない。
だからか、肥り続けても、歯止めなくそのまま進み続けている。
日本だったら、「自己管理できてないひとは無理!!」と思われてしまいそうだが、こういった人に対する評価基準が大きく異なることもコロンビアにふくよかな人が多い理由であるような気がしている。
おわりに
炭水化物が多く、脂っこいものを食べ、塩をたくさん振る。
飲み物は甘いものが美味しくて、ソースもたくさんかけたほうが美味しい。
たしかにこういう食生活をしていたら、コレステロール値も高くなるし、肥ったとしても大いに納得できる。
提供された料理は残したくないから、全部食べちゃうし、農家さんちのお昼ご飯で「おかわりはどう?」と訊かれれば、その好意に応えたくて「ちょっとだけおかわりするよ~」と2人前分食べることになるのだ。
ご飯をしっかり食べてあげるというのは、信頼関係を築くうえでとても大切なこと。
だから、ぼくは自分のポリシーとして、出されたものは全部食べる。
そうすると、コロンビアの場合肥る。
コロンビアの農家さんと活動すると肥る と言ったほうが正しいかもしれない。
農家さんは力仕事が多く、消費エネルギーが多いので、たくさん食べなくてはいけないからだ。
そこで、歩いて登ってきただけのぼくが同じ量のご飯を食べたとしたら、それは当然肥る。
帰国後の血液検査の結果は出てないが、もう運動を始めたから、どのみち問題ないだろう。
今の心配は、日本に帰国して、飽食社会のなかで自分の好きな料理や好きなお菓子を簡単に手に入れることができてしまうことで、日本食太りをしてしまうことだ。
体型を維持するためには、見直さなくてはいけないことがたくさんある。
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