帰国後、念願の温かいお風呂でのぼせてしまう?冷たいシャワーが早くも恋しい
コロンビアの寒くない地域は、基本的に水シャワー。
お湯シャワーが出るのは、良いホテル、良いアパート、そして首都ボゴタなどの涼しい地域だけである。
だから、泊まったホテルのシャワーからお湯が出ると、それだけで興奮したものだ!!
目次 Índice
シャワーからは「必ずお湯が出る」という思い込み
コロンビア人にお湯シャワーの話をすると、「べつに水シャワーでいいじゃん」と言われる。
水シャワーだけで十分なのに、わざわざシャワーにお湯機能を持たせる必要があるだろうか??
日本では、夏でも温かいシャワーを浴び、サッとお湯につかる。
なぜそうにするのか考えてみると、汗をかくことでなんとなく体内の老廃物が排出され、毛穴が綺麗になる気がするから。
お湯シャワーに慣れると、ちょっと冷たい水シャワーを浴びるだけで、ヒャッと心臓が止まりそうになる。
自分で「ウワッ、つめたッ!!」と言って、頭から水シャワーを浴びると、小学校のプールで体洗浄のためにみんなでキャッキャッしながら数字を数えていたのを思い出したりもする。
水シャワーを浴びるのはヒンヤリとしていて気持ちいいのだが、お風呂で火照った身体を冷ますため、というのが容易に考え付く理由だ。
でも、コロンビア人の多くは、お湯を浴びてリラックスするという世界を知らない。
たとえば、ぼくはカピバラが好きだが、彼らも生物的に最初からお湯につかってくつろいでいたわけではないだろう。何かの拍子に、お湯が気持ちいいことを学び、そしてそれを気持ちよく感じ、習慣化した。
そういう世界やリラックスする方法を知らなければ、拝むことができない世界も多くあるものだ。
ヨガをしているひとは『無心』になることの素晴らしさを知っているという、それを親切に教えてもくれる。でも、邪心に満たされたぼくがそれを真似しようとしても、突然『無心』に慣れることはない。
そういうことだ。
コロンビアは活火山が多く、水着やビキニで入る男女兼用の公衆温泉浴場がある。ぼくは行ったことないけど。
そのような天然温泉がある場所は、標高も高めで、気温も低く、ヒンヤリしているので、利用者は温泉で体が火照ることに気持ちの良さを感じていることだろう。
ちなみに、ペルーのカハマルカ市に行った際に、天然温泉を紹介してもらった。
そこでは、完全個室or家族利用で、大きな浴槽がある1室を貸し切りで10分ほど使う方式だった。お風呂に充填されるお湯はすべて天然温泉で、自分たちがお風呂に入った後は、その浴槽のお湯をすべて排水し、空の状態で次の利用者がその部屋を利用する。完全かけ流し式だ。とても贅沢な使い方だった。
水シャワーを浴びる。もしくは、大きな水瓶にバケツで水を数杯汲んできて、そこから自分が使う分をバケツで汲んで自分の身体や髪を洗う。
自分が一回のシャワーでどのくらいの水を消費しているのかが非常にわかりやすいシンプルな仕組みだ。
お湯を浴びないから、毛穴が開かない??
「日本人は肌がきれいだ」と良く褒められる。
これはなにも女性だけの話ではなく、ぼくもそんなに肌は綺麗な方ではないが、よくほっぺを引っ張られた。
農村に行くと子どもが集まってきて、女の子は特に美への関心があるからか、「アジアのひとって肌綺麗なんでしょ?」と聞かれる。
さて、コロンビアのひとも肌綺麗である。
日本人のように、モチっとした肌ではないが、さっぱりとした肌だ。
オイリー肌がいない と言うとイメージしやすいかもしれない。
あんなに脂っこいものばっかり食べて、野菜の摂取量も少ないし、炭酸ジュースはたくさん飲むのに、その割に肌はかなり綺麗だ。
僕自身もそういう風な彼らと同じ生活を2年間してきたからわかるが、個人的に学んだことは「食べ物の栄養が偏っても肌は大して変わらない」。
もちろん、2年だけでなく、5年、10年、30年とそういう食生活を続けた場合どうなるのかは知らない。
でも、この2年間でぼくはむしろ肌が落ち着いた。
成長段階によるホルモンの関係もあるかもしれないが、ハンバーガーとコカ・コーラばっかり食べてた割に、肌はそれに比例して悪くなることはなかった。
これはかなり意外だった。
コロンビア人が肌がきれいな理由。
それは、肉をもろともせずに消化できる消化器官の強さ。
それと、適度な運動に加えて、水シャワーしか浴びないことだと思う。
毛穴が開くのはなぜか。
毛穴が開くからである。
では、毛穴が開いたときにすることは何か?
冷却によって、肌を引き締めることである。
常に引き締めていたらどうなるのだろうか?
毛穴が開かないのである。
完全な個人的推測だが、コロンビアのひとは年齢を重ねても、肌がきれいな人が多い。
それは化粧が厚化粧になるからではない。むしろ、コロンビア女性の化粧というのは、めちゃくちゃナチュラルだ。
だから、かえって、大きなイベントのときに、ばっちりメイクを決めてくると不自然に映る。
ちなみに、スペイン語で化粧をするを意味する Maquillarseには、「騙す。真実を隠す。」という意味がある。
どこの文化圏でも、化粧は「化かす」ことのようだ。
帰国した今、お風呂に浸かると5分でのぼせます
帰国するまでは、「やっぱりお湯シャワーが浴びたいな~。水シャワーはリラックスできない」と思っていた。
でも、日本でシャワーやお風呂に浸かると、「水シャワーが浴びたい!!!!」と強く思う。
しかししかし、日本の技術というのは素晴らしいもので、シャワーの温度設定を40℃以下にしても、安全バーが働き、10℃の水が出てくることはないのだ!!
割と本気で、くやしい。
調子に乗って、2年前のように肩までお湯につかってゆっくりしていると、5分もせずに飽きる。
飽きるというか、身体が火照ってしまう。
お風呂から出ても汗が止まらなくて、背中もじんわりと汗をかき続ける。
身体が体温管理ができないのがわかり、風邪の前に自分の体温がわからないようなポカポカフワフワした状態に陥る。
だから、お風呂は気持ちいいはずなのに、まだ長風呂するのに勇気がいる。
2年前は1時間くらい平気でお風呂に浸かっていたのに、いまでは簡単にのぼせ気味になってしまう。
これもきっと慣れの問題だろう。
お風呂にお姉さんの優しい声がこだまする
「お風呂が沸きました」
「お湯の温度が変更されました」
浴槽がしゃべってくるのだ。
これはすごい技術だ。
この技術自体は何年も前からあったが、「細部まで気配りがすごいな」と感じる。
別にしゃべらなくても、画面を見れば「お風呂の準備ができた」ことはわかるし、「お湯の設定温度が変わった」ことは視認できる。
わざわざ話さなくてもいい。
でも、おんなのひとが声でお知らせしてくれる。
とても働き者だ。
日本人はお風呂やトイレの技術がとても発展している。
それはなぜなのか?
それらの場所が日本の文化に欠かせない重要な場所だからなのだろう。
「シャワーは汗を流して、さっぱりするもの」
と
「お風呂場は汗を流して、さっぱりして、リラックスして、心を落ち着かせる場所」
この価値観の違いは、とても大きく技術進歩の方向性に関与しているのだろう
温泉はやっぱり気持ちいいよ
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