今週末のコロンビア次期大統領選挙の経過と禁酒令措置:冷静な判断で投票するためには、アルコールは禁止しないとね
今週末5月27日に次期大統領選挙がある。
コロンビア人は結構政治の話が好きなので、候補者について聞くとたくさん話してくれる。
大学生でもきちんと個人の政治観があって、しっかりした印象を受ける。
今回の選挙では、5人の候補者がいる。
最新の世論調査では、このようになっている。
ドゥケ Ivan Duque 37.6% 民主中道党
ペトロ Gustavo Petro 24.2% 前ボゴタ市長
ファハルド Sergio Fajardo 16.0% 前メデジン市長
バルガスジェラス German Vargas Lleras 11.0% 前副大統領
カジェ Humberto de la Calle 2.3%
イヴァンドゥケが人気であることを端的に説明すると、「彼だけがクリーンで、ほかの候補者は汚職やゲリラとの関係などで叩けば埃がたくさん出てくるから」だそうだ。
特に最近は2番手につけるペトロのネガティブキャンペーン動画が出回っている。『ペトロに投票してはいけない10の理由』といった具合で、元ゲリラ組織関係者との写真や歴代のコロンビア大統領との親密な写真などと共に5分以上のビデオで紹介されている。そのため、「ペトロはゲリラとつながっている」という人も少なくない。ボゴタ市長時代も、市民団体や学校からあがってきた提案書を採用しなかったとか、公金泥棒だとか言ってる。
**ぼくは特に誰を応援しているわけでもない。むしろ、他国の政治には口は出せても、干渉をすることは許されない。
コロンビアは、大統領を直接国民が選ぶ、国民投票形式だ。
この選挙で、1人の候補者が過半数である、50%以上の票数を獲得すれば、1度の国民投票で次期大統領が決まる。
過半数に達しない場合は、上位2名による決選投票が来月6月17日に行われる。2回目の国民投票だ。
今のところ、ドゥケとペトロの決選投票になりそうだ。
決選投票になった場合、残りの3人の候補者を支持していた層がどこに流れるかが注目されている。
この決選投票は、ワールドカップ真っ只中で行われることになる。
選挙の前後の日は禁酒令が実施され、すべてのお店がお酒を売ることができない
コロンビアの面白いことは、「重要な日」には政府が禁酒令を敷くことができることだ。
たとえば、今週の日曜に行われる1度目の国民投票前後、土曜の夜6時から月曜の朝8時まで、すべての商店は酒類を販売することが禁止される。
ley seca(直訳:乾きの法律)、酒類販売禁止令という。
これ、コロンビア人と良くコミュニケーションを取っていないと、「俺はよそ者だから関係ない」ということではないので、レストランでビールが飲めなかったりする。
だから、この法令がいつやってくるのかを知っておいた方がいい。
以前友だちとハンバーガー屋さんに行った際、友だちが全然時間通りに来ないから先にビールを飲もうと頼もうとしたら、ちょうどこの禁酒令の日だったので、仕方なくフルーツジュースを飲んで過ごした。
友だちもソレを知らなかったので、「あー、ley secaか」と納得していた。禁酒令が敷かれるのは重要な日なのだが、そのときは何の日なのかわからなかった。
基本的に、市長選や市議選、県知事選があるときは必ずLey secaが発動する。
だから、町ごとに違ってくる。
実は、この法令、酒類の“販売”が禁止されるだけなのだ。だから、事前に家にケースで買いだめしておけば、飲んでも問題ない。
この禁酒令は、街中での騒動やバーやディスコでの酔っている人同士の衝突を避けることを目的としているのだろう。
また、今回の投票で言えば、シラフの状態できちんと自分の意思に基づいて投票して欲しいから、前日から禁酒令をしているのだと思う。
ワールドカップ??
もちろん、禁酒令は出ない
国民投票だから、ワイロがかなり動くらしい
さて、コロンビアは大統領を国民投票で決めるので、お金がかなり動くようだ。
汚職である。
お金による票の不正な買取が行われやすいようだ。ぼくの周りのコロンビア人の多くの人がその話題を話すということは、ニュースにならずとも存在する事実なのだろう。
一緒に住んでいる大学生によると、彼の知り合い?は1票を150mil peso、日本円で5000円ほどで売ったそうだ。コロンビアでは150milあれば、ランクの良い美味しい昼食を1週間くらい食べられる額だ。
コロンビアの投票形式も投票用紙にマーク(罰点をつける)して、誰にも確認されずに箱に入れることができる。
だから、その彼の知り合いは、各候補者に自分の票を売り(正しくは売っているフリをして)、それぞれ稼いだそうだ。それで最終的には、誰にマークするわけでもなく、そのまま白票で投票する。
まぁ、汚職の一種だろう。
だから、お金がかなり動く。しかも、裏金だ。
汚職に加担しているわけだが、結局その人が利益を得ることができれば、「千載一遇のチャンスだ!!」とばかりにそれに加担するのだ。
それでも、みんながみんな、そういうことをしているわけではない。きちんと、各候補者の政策を見て、しっかり決めている印象を受ける。
ただ、コロンビア人は「この候補者はゲリラの人たちと繋がっている」とかそういうことがわかるらしい。長く住んでいれば当然だが。
職場で誰に投票するかを話すのはさすがに場違いのようだ。各々投票先が違うからだ。
それでも、「私はこの人に投票するよ、だって〇〇だもん。」と論議になる機会もあり、政治の話題がタブーなわけではない。
また、日本のほとんどの野党のように、野党政党が全く話にすらないわけではないので、健全な印象を受ける。
日本では、自民党に台頭できる党が存在しないからね。健全な野党がなければ、良い与党は生まれない。
今週末の選挙がどういう結果を迎えるか、楽しみだ。それでいて、その結果に伴うゲリラ活動の有無にも気をつけなくてはいけない。
日曜日、親族全体と付き合いのある女の子の誕生日がある。彼らが禁酒令のなか、どのように誕生日パーティを開くのか、注目だ。
Chao
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